「ロゴを変えたい。」
「Webサイトをリニューアルしたい。」
ブランディングのご相談をいただくと、こうした話から会話が始まることがよくあります。
もちろん、どれも重要なテーマです。
ただ、私たちはそこで「どんなデザインにしましょうか」という話を始めることはありません。
まず知りたいのは、その企業がどんな企業で、何をしている企業なのかということです。
当たり前の話に聞こえるかもしれません。
しかし、実際にプロジェクトが始まると、この当たり前が意外と整理されていないことが少なくありません。
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例えば、「どんな会社ですか。」という問いに対して、事業内容を説明してくださる企業はたくさんあります。
A事業をやっています。
Bというサービスがあります。
Cという技術を持っています。
もちろん、それは間違いではありません。
でも、それだけでは、その企業がどんな会社なのかは見えてきません。
私たちが知りたいのは、「何をやっているか」だけではなく、「なぜその事業をやっているのか」ということです。
一見すると関係のない事業でも、一つの考え方でつながっていることがあります。
逆に、同じ業界の事業ばかりでも、それぞれが独立して存在しているだけ、ということもあります。
事業を見るということは、事業を並べることではありません。
それぞれの事業の奥にある、一貫した考え方を見つけることです。
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企業にはたくさんの情報があります。
歴史もあります。
商品もあります。
技術もあります。
理念もあります。
その一つひとつを見れば、どれも間違っていません。
それでも、「自分たちの強みがうまく伝わらない」ということは多くあります。
それは、情報が足りないからではありません。
それぞれの情報が、どうつながり、どんな価値を生み出しているのかが整理されていないからです。
強みはある。でも、その強みを本人たちがうまく説明できない。
価値はある。でも、なぜその価値を自分たちが提供できるのかが整理されていない。
私たちは、その関係性を整理するところから始めます。
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ブランディングというと、ロゴやWebサイトなど、見た目を変えることだと思われることがあります。
しかし私たちは、ブランディングの本質が「差別化」にあると考えています。
もちろん、見た目を変えることで印象は変わります。
ロゴがあればブランドとして識別ができます。
Webサイトをリニューアルすれば、情報も伝わりやすくなります。
それ自体はとても大切なことです。
しかし、本当に企業を差別化するのはクリエイティブではなく競争優位です。
クリエイティブが競争優位を生み出すのではありません。競争優位を社会へ伝えることが、クリエイティブの役割です。
商品やサービス、技術、組織、事業の進め方。
企業には、それぞれ選ばれる理由があります。
ブランディングとは、その企業が選ばれる理由を、社会に正しく理解してもらうための活動です。
つまり、新しい価値をつくることではなく、すでに存在している価値を、正しく理解してもらうための仕組みをつくることだと考えています。
だから私たちは、「価値をどう見せるか」より先に、「その会社の提供する価値は何か」を整理します。
そして、その価値を、なぜその企業が提供できるのかを定義します。
ここまで整理されると、企業としての輪郭が見えてきます。
ロゴも、コピーも、Webサイトも、その輪郭を社会へ伝えるための手段になります。
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プロジェクトでは、レファレンスを一緒に見ていただくことも少なくありません。
しかしそれは「好きなデザインを選んでください」という意味ではありません。
もちろん、どんな雰囲気を好まれるのかを知ることもできます。
一方で、私たちは、他社がどのような判断を積み重ねて、そのブランドやコミュニケーションをつくり上げたのかも見ています。
ある企業は、技術を前面に出しています。
ある企業は、創業者の思想を軸にしています。
またある企業は、事業構造そのものをブランドの特徴として伝えています。
同じ業界でも、選んでいる戦略はまったく違います。
その違いを生み出した判断を読み解くことが、レファレンスを見るもう一つの目的です。
その背景を理解することで、目の前の企業にとって本当に必要なコミュニケーションは何かを考えていきます。
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私たちは課題整理だけを行う会社ではありません。
ロゴやWebサイトだけを制作する会社でもありません。
課題を整理し、価値を定義し、それを社会へ伝わる形に翻訳する。
その一連のプロセスを、クリエイティブまで含めて設計することが私たちの仕事です。
だから、クリエイティブは重要です。
ただ、それはスタートではありません。
課題整理があり、価値の定義があり、その先にクリエイティブがあります。
ブランディングにおいて重要なのは、何をつくるかだけではなく、どの順番で考えるかだと私たちは考えています。
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